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フルミスト(経鼻生インフルエンザワクチン)について

フルミスト(経鼻生インフルエンザワクチン)について

今シーズンから新たなインフルエンザワクチンが始まります。フルミストという鼻腔スプレータイプのワクチンです。
このワクチンはアメリカでは20年以上の使用実績があるワクチンですが、今シーズンから国内でも正式に承認され、使用される運びとなりました。国内での接種対象年齢は2歳から18歳までとなります。

毎年インフルエンザワクチンを接種して腕が腫れる児にはおすすめです。13歳未満の児はシーズン毎に2回接種しますが、このワクチンは1回で済む事もメリットになります。ただし接種対象年齢は2歳以上になります。ご注意ください。

フルミストもつくば市の助成対象にあたります。その詳細については、別途ご連絡いたします。

ここではフルミストの特徴等を以下にご説明します。

〇生ワクチンである。
従来のインフルエンザワクチンは、不活化ワクチンと呼ばれるもので病原体の一部を元に作成したワクチンです。病原性(感染性)はありません。
フルミストは弱毒化したインフルエンザウイルスを用いています。赤ちゃんが使用しているロタウイルスワクチンと同じような位置づけになります。
生ワクチンは不活化ワクチンよりも効果がつきやすいため、シーズン一回の接種で十分です。

〇鼻腔スプレータイプのワクチンである。
注射ではないため、痛みがないのが利点です。しかしながら、コロナ禍による繰り返しの鼻腔検査で鼻腔処置に過度の恐怖を抱いているお子様も多く、接種に際して少々不安があります、、、

理論上、経鼻スプレーは注射と比べて予防効果において優れています。鼻腔にスプレーすることで、鼻腔の粘膜に局所免疫を形成しウイルスが細胞内に侵入する事を防いでくれるからです。従来の注射タイプのワクチンにはウイルスの侵入を粘膜でブロックする効果はありません。侵入したウイルスを速やかに撃退することで発症を防ぐのが主な働きです。よって皆様もご存じの通り、注射を接種しても罹患する方は多いのですが、体内でウイルスの増殖を速やかに抑えるため、重症化を防ぐ事に大きく貢献しています。

〇気になる副作用は?
接種した後に、はなみず、はなづまりの症状やのどの痛みといった軽度の感冒症状が約10%の人にみられるようです。他、不活化ワクチンと比較して、重篤な副作用の出現は認めておりません。また、理論上はフルミストを接種直後の児から飛沫感染で周りの人がインフルエンザに感染するリスクはあります。ロタワクチン接種直後の乳児の唾液や糞便から胃腸炎にかかるリスクがあるのと同様です。

〇接種できない人は?
重篤な免疫疾患を有している方や、免疫抑制剤を用いている方には接種できません。また川崎病罹患後等でアスピリンを服用している児につきましても接種はできません。詳細については、個別にご相談ください。卵アレルギーに関しては、従来の不活化インフルエンザワクチンと同様です。重篤なアナフィラキシー症状がない方や過去にインフルエンザワクチン接種して問題ない方であれば接種可能です。

当日に感冒罹患中の児や喘息症状がコントロールされていない児、もしくは兄弟が感冒罹患中の児に関しては、予防接種に来院されても医師の判断で日を改めて頂くことがあります。あらかじめご了承ください。

 

参考文献

フルミスト(第一三共)※医療者向けサイトになります。

小児に対するインフルエンザワクチンについて(厚労省)

経鼻弱毒生インフルエンザワクチンの使用に関する考え方(日本小児科学会予防接種感染症対策委員会)

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